面倒くさいことばかりだ

 

 

厄介なことばかり起こってあーめんどくせえって思いながら仕事してる。春になると湧いて出てくるんだよ虫みたいにさ。あーめんどくせぇって思う。十年後の話だ。非日常みたいなことを期待している。穏便に平穏に暮らすことを願っているのに。心の底から生きてみたいと思う。心を抉るようになりふり構わず突っ走ってしまうような。笑いもしない泣きもしないそんな日常で。発狂している。だれもいないそんな場所で。あーめんどくさい。はやく終われはやく終われ。

 

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追い抜かされてゆくこと自体にはもう焦ってはいない。若干のその静けさすらいまは心地よく感じる。目を真っ赤にして泣きそうなひとが好きだ。励ましてあげたくなる。親身になりたくなる。その傍ら長い導火線に火をつけた。うまく辿りつくのかは分からない。爆破してきれいに吹っ飛べばいいと思っている。3年もいたんだ。もういいだろう。その後は幸福が訪れれば良い。癌になったあの人が早く良くなって安心して戻って来られる場所になってほしい。ひたむきに 謙虚に 安らかに 燃え盛るような 日常を。ちりちりとゆっくり走る導火線の行方を ただ息を飲んで見守っている。

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もうずっと何日も同じような終わらない今日を過ごしている。しずかな場所に行きたい。ひとりきり 座りこめるような時間がほしい。ここは喧しくて落ち着かない。もう なんにもする気がない。

一刻と悪い出来事ばかりが起こっている。転がるように 居場所がなくなった。みんな どうして其れを選択するのだろう。あっちを選べば良い方へ行けるのに。どうしてこうも 勝手なのだろう。と わたしは外野に居るんだろうか。安全地帯から眺めているのだろうか。そんな莫迦な。こんなにも居心地がわるいのに。

十年だ。がんばったり 息をとめたり のらりくらり 知らない振りをしたり。十年積み重ねても 崩れるときはあっという間だ。

みんな突き放してしまいたい。でもそれをやった後も 関わらなくてはいけないから こんなに苦しむんだ。すべて排除できたら。そんなこと考えたことすらない人間が 土足で踏み荒らしていく。入らないで 嫌いだよ 顔も見たくない。

 

やすらかに ただやすらかに眠れることを毎晩願って目を閉じるんだ。

だれか だれか はもう居ない。

だからただやすらかに。

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やけに秒針の音がする。それも安いプラスチックの擦れた音だ。寝つきは良いのだから眠ってしまえばいい。久々の連休はあっという間に過ぎた。目覚ましは翌朝AM6:40に鳴る。

 

すべて消えてしまっていた。日付は覚えてないが 2004年から始まった筈だ。十数年ひっそりと息をするように残していた。彼女が亡くなってもなお 通りすぎる人すらいなくなった場所で たまに思い出してはひとりでそこにいた。わたしたちはまだ十代で ばかげた文字を当たり前に使い ふわふわと足が地につかない毎日を ここがどん底だとでもいうような口ぶりで 零ちゃん 有希ちゃん なんて。

笑ってしまうよ。あっけなく 全部消えてしまったのだ。

 

なまえを呼んで つよく願えば 会うことができた。あの魔法は どこへ行ったのだろう。

 

眠りにおちるすこし手前の まどろみがとても仕合わせで 朝がこなければいいと思っているのに 毎朝おなじ時間アラーム音で目がさめて さようなら またいつか そういって手をふるんだ。

 

もがいても 抗っても 押し流されてとおくに来た。

みんなは元気ですか。

 

 

冷凍もおいしい



漠然と胸が騒ついていてなつかしい感覚でああこれ知ってるなまえを呼べばいいんだと思ってずっと呼んでた。
むかしは会えたんだ。こうしていれば偶然に。
ほんとうにわたしは魔法が使えるんだと思っていた。あの人だけ有効な。
ただ使用期間が切れてしまっていたようで何度も呼んだのに見かけることもできなかった。
今日はなんだか恋しかったんだ。
夕べむかし話や思い出にふれていまなら って思った。
眠りにつくまえのあの微睡みが心地よくてずっとずうっとこんな瞬間ならいつまで経っても幸せな気持ちで生きてゆけるのに。
だいぶ寝つきが良いのですぐにアラームが鳴って叩き起こされる朝がきのうも一昨日もたぶんあしたも明後日もあるんだろうけど。
泣きたくなるぐらい会いたいと思えばいいのだろうけど泣きたくなるぐらいあの気持ちを忘れてしまったからわたしにあの魔法はもう使えない。
知人 枠にももう食い込まないほど
とおくにきたのね。



そういってわらった。


おつかいありさん といううたを気づけば口ずさんでいる。あわてておつかいに行こうとして他のありさんにこっつんこしておつかいを忘れてしまうっていう、うた。ぶつかりまくりでもう何がなんだがおぼえてないや。仕事ではだいたいいつも空まわりでがんばってはいるけどテーブルクロスのくっそ重いロールを中指に落としたときはさすがに泣きたくなったよ。骨、いったと思った。全然大丈夫だったけど。あの子の、なんかいいことないかなって口ぐせが大嫌いだった。ほんと、うんざりしてた。いいことなんて、あるわけねーじゃんってずっと思ってて、内緒にしてたけどわたしよりずっとマシな今日を送っているのにって思ったらすごく惨めで、なんかいいことないかなって言われるたびになにも言わなかったのは、わたしはあなたの踏み台になるつもりはちっともなかったからなんだなって、今になって思った。人はだれかの悲しみを踏み台にする。わたしの復讐はつづいている。だれに、なんのために抱えているのかは、もう覚えていない。心臓がぎゅーってなって、のどが締めつけられて息ができなくなる。歯を食いしばって眉間に皺がよる。熱をもつ。ようやく、わたしは泣ける。もうあんなの 嫌だ。とか言いながら。