そういってわらった。


おつかいありさん といううたを気づけば口ずさんでいる。あわてておつかいに行こうとして他のありさんにこっつんこしておつかいを忘れてしまうっていう、うた。ぶつかりまくりでもう何がなんだがおぼえてないや。仕事ではだいたいいつも空まわりでがんばってはいるけどテーブルクロスのくっそ重いロールを中指に落としたときはさすがに泣きたくなったよ。骨、いったと思った。全然大丈夫だったけど。あの子の、なんかいいことないかなって口ぐせが大嫌いだった。ほんと、うんざりしてた。いいことなんて、あるわけねーじゃんってずっと思ってて、内緒にしてたけどわたしよりずっとマシな今日を送っているのにって思ったらすごく惨めで、なんかいいことないかなって言われるたびになにも言わなかったのは、わたしはあなたの踏み台になるつもりはちっともなかったからなんだなって、今になって思った。人はだれかの悲しみを踏み台にする。わたしの復讐はつづいている。だれに、なんのために抱えているのかは、もう覚えていない。心臓がぎゅーってなって、のどが締めつけられて息ができなくなる。歯を食いしばって眉間に皺がよる。熱をもつ。ようやく、わたしは泣ける。もうあんなの 嫌だ。とか言いながら。