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追い抜かされてゆくこと自体にはもう焦ってはいない。若干のその静けさすらいまは心地よく感じる。目を真っ赤にして泣きそうなひとが好きだ。励ましてあげたくなる。親身になりたくなる。その傍ら長い導火線に火をつけた。うまく辿りつくのかは分からない。爆破してきれいに吹っ飛べばいいと思っている。3年もいたんだ。もういいだろう。その後は幸福が訪れれば良い。癌になったあの人が早く良くなって安心して戻って来られる場所になってほしい。ひたむきに 謙虚に 安らかに 燃え盛るような 日常を。ちりちりとゆっくり走る導火線の行方を ただ息を飲んで見守っている。